仕事の選択肢の増加
男女雇用機会均等法や男女平等という考え方が広がってきたことによって性別に関係なく仕事を選ぼうという考え方が増えています。
昔は男性しか働くことのなかった工事現場や大型トラックの運転手、バスの運転手といった仕事を選んで就職する女性も増えています。
これと同じように介護職や看護師、保育士といった仕事でも男性が資格を取得して就職することが増えているのです。
とは言え、まだまだ数は決して多くはありません。
男性看護師は看護師全体の5パーセントほどですし、保育士はそれよりも少ない3パーセントほどです。
しかし、資格を取得して働くということは安定性も高く今の長引く不況の中では家計を支えやすいとして人気が高まりつつあるのです。
しかし、男性が保育士として働くことには、まだまだ課題がたくさんあります。
保護者の中には、男性保育士が勤務することに否定的な意見を持っている人もいることがあるのです。
そこで、ここでは保育の現場に男性保育士は必要であるのかということを考えていきます。
男性が保育士になるのは大変なこと
男性が保育士になるというのは相当大変なことです。
まず、保育士になるために学校に通う際にも多くは女子大であり共学で保育課程が学べる学校は数が少ないのです。
また、学内も女性が多く、学校によっては男子が1人ということもあります。
そのような中で勉強をするというのはなかなか精神的にも辛いものがあり、そのような環境をくぐり抜けて保育士となって働いているのです。
そのため、男性が保育士になりたいと思い資格を取得するのは決して軽い気持ちではなく相当な覚悟を持ち、努力をしていることがほとんどなのです。
保育の現場に男手は必要
保育の現場では、子供達を抱えたり、高いところで作業をしたりという場面が多くあります。
このような場面では女性だけでなく男性のサポートが入ると助かることが多くあるのです。
特に、遊びや外での活動には男性保育士がいることで、子供達の遊びや運動のレパートリーを増やすことができます。
これは子どもたちにとってもメリットの高いことであり、保育をより充実したものにすることができます。
もちろん、男性ができない仕事もないわけではありません。
特に子どもの着替えやオムツ替えといったことはデリケートな問題であり女性保育士のみに限定して行って欲しいと思う保護者も少なくありません。
また、保育所の労働環境も男性に決して良い状況ではありません。
今まで男性を受け入れていなかった現実があるために、更衣室がなかったり休憩場所がなかったりと男性が保育所で働くのは環境がまだまだ整備されていない保育所も多いのです。
そのような環境の中でも熱心に保育に取り組んでいる男性保育士に対して、社会も少しずつ受け入れる体制を作っていくことがこれからの課題であると言えます。