保育ソーシャルワークとは
もともと、ソーシャルワークは自然活動の一環で、その後社会学や心理学などの影響を受け、社会的不利益などを改善し、心理社会的ケアを推し量っていくものです。
福祉の世界では、日本語で社会福祉援助技術ともいい、専門知識に基づいたカウンセリングや援助を行うことで、課題の解決をサポートする活動のことを指しています。
こうした、ソーシャルワークの考え方を、保育に取り入れたものが保育ソーシャルワーカーです。
保育ソーシャルワーカーは、保育の分野において、難題や課題を抱える人の支援行うことで、問題の解決やカウンセリング、または様々な援助などによって、保育のサポートを行っています。
ではなぜ、保育の分野で専門家である保育士ではなく、保育ソーシャルワーカーなのでしょうか。
それは、保育士の専門分野が保育に特化しているため、総合的な福祉の問題を解決するに至らないからです。
保育ソーシャルワークが求められる理由
保育ソーシャルワークが求められる大きな理由は、救済しなければいならない対象が、保育だけにとどまらないことを意味しています。
特に、他の福祉サービスへの案内など、保育士の経験や保育の知識だけでは、非常に対応が難しい場合もあり、保育ソーシャルワークの存在は、総合的な福祉の問題を解決できる可能性が非常に高いのです。
これは、現在の日本の家庭環境が非常に複雑になっていることから、問題定義が非常に厄介であるということが挙げられます。
つまり、そうした子供たちを取り巻く環境が、子供たちの保育の問題だけではなく、家庭内の問題へと多様化していることから、総合的な解決への助言が求められていることにあります。
そのため、そうした問題提議に対し、ソーシャルワークの知識や技術の活用が大切になってくるのです。
ソーシャルワークの現場実践
実際に、保育ソーシャルワーカーは、現場でどのようなことを行っているのでしょう。
ソーシャルワーカーが取り組む手法に、課題中心理論・アプローチというものがあります。
これは、限られた時間内に、利用者と定めた目標に対し課題を設定し、それを実施していきます。
例えるなら、みんなと挨拶をしようという目標設定では、鏡の前で実際に減収を行ったり、友達と目があったら笑ってみる・相手よりも早く挨拶行う・などの課題があります。
このように、実際の問題提議に対し、小さな課題をいくつも作ることによって、目標達成という支援を行うわけです。
また、ナラティブ理論・アプローチは、心理的治療を行う一つの手法で相手の話しをよく聞き、考え方を再構築することによって問題解決を図ります。
そして、エコロジカル理論・アプローチは、人と周りの環境の改善を目指すための手法となります。