子育てをめぐる劣悪なスパイラル
日本では、これまで歴史上でも類を見ない超高齢化社会を迎え、社会的にも経済的にも景気が低下していきました。
特に、働く人々で賄われていた年金や保険料なども、税金の減収により破たんしかけています。
また、経済の低下により、私たち働き手の収入は減り、結婚して子どもを作りたいが、子ども・子育て支援が質・量ともに不足した現状では、家族をつくることさえままなりません。
こうした現状は、急速な少子化の進行を招き、ひいては労働者層の減少という負のスパイラルを招いてしまいました。
また、子供をもつ既婚者は、働きたくとも子供を預ける施設が圧倒的に足りないのです。
実際に、独身男女の9割は家庭を持ちたいと願い、子供も二人以上を希望しているにかかわらず、社会環境のおかげで希望がかなわないといった声も聞かれます。
国はこうした現状を見据え、子育て支援をふくむ関連法案を整備することになりました。
子ども・子育て関連3法案とは
日本では、1975年から減りつつある人口の減少が、家庭環境と子育てをめぐる現状がうまくかみ合っていないことを、ようやく最近になって理解してきたようです。
1975年から40年連続して減っている人口問題は、減少問題を押しとどめることが出来ず、その拍車を緩めるためにも、2012年にようやく子ども・子育て関連3法案を可決させました。
これまで厚生労働省・文科省で行われてきた二元化を一本化することで、よりスムーズな保育が推し進められるようになってきました。
子ども・子育て関連3法案は、新たな保育のシステムで、子ども・子育て支援法案、総合こども園法案、関係法律の関係整備法案の3法案を整備することで、保護者の負担も減ることが期待されています。
法案の趣旨は、家庭内養育の支援を行うとともに、質の高い学校教育や保育施設の充実を図ることになったのです。
変更されたポイント
子ども・子育て新システムのポイントは、すべてのお子さんに教室な生育環境を保証することはもちろんのこと、社会全体で支援していこうという考えに基づいて作られています。
まず、各家庭内への児童手当はこれまで通り現金給付されますが、子どものための教育・保育給付については、これまで社会福祉法人等のみが補助の対象でした。
これが主体の区別なく、施設整備費補助として給付されるようになりました。
また、これまで幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省、認定子供園は内閣府がそれぞれ所轄となっており、保護者にとっては分かりづらく、手続きにも非常に手間がかかっていました。
さらに、幼保連携型認定こども園の認可・指導監督も内閣府に一元化されることになりました。
そのほかにも変更されたポイントは多く、幅広い保育の場が提供されるようになり、これらを内閣府に一元化したことで、手続きも行いやすくなったと言えるでしょう。