子供の個性の伸ばし方

人の個性とは

非常に抽象的ではありますが、一般的に個性とは個人を特定する唯一の表現方法で、同じ血縁者であっても全く同じ性格にはなりません。
最近では、キャラが立つなどと揶揄される個性ですが、良い意味にも悪い意味にも使われています。

一般的に人の個性とは、世間的な常識や他人との行動や表現方法が異なることで、他人とは着眼点が少し異なっているようです。
したがって個性とは、個人差のことであり個人性を意味し、その人独自に持ち合わせた持ち味や人柄と言い表すことができるでしょう。

これは、表面上の優しさや人に合わせられる、といった本人が作為的に取り繕ったものではなく、内面的なものなのです。
心理学では、個性=個人の素質と環境との相互作用によって生み出されるものとされています。
こうした個性は、個人の性格を特定するものとされていますが、個性そのものがすべて良いとは限りません。

学校教育の弊害

戦後の日本は、復興のために国民が国と一丸となり、国を立て直してきました。そのおかげで、敗戦国の中では類を見ない経済成長を見せ、世界でも有数の経済大国となりました。

そのため、他人との協調性は非常に重視され、学校教育の中でも集団生活が中心となり、他人と異なる行動をや思想は排除される風潮が整ってしまったのです。
確かに、全員が一丸となって、作業を行うのは非常に理にかなったことですが、新たな発想を得ることが、難しくなってきました。

同時に、学力の高い学校に行き、有名な企業に就職したりすることは、一つのステータスとなっていき、これが学力社会を生み出し、他人との競争や協調性のない個人は、落ちこぼれと呼ばれ、世間から排除されていくという、間違った考えが生み出されたのです。
昨今では、こうした考えは改まっていき、個性を身につけ伸ばすことで能力の底上げを図る試みを行っています。

良い個性の伸ばし方

学校教育、特に保育や子育ての話題になると、よくも悪くも個性という言葉に焦点が集まってくるようです。
特に良く耳にするのは、個性を伸ばす・個性を大事に・個性の尊重などの文言で、個性そのものがすべて良いものとされているのは、少し焦点が違うのではないでしょうか。

とかく個性というものは、良いものとして判断されがちですが、協調性がない・怒りっぽい・引っ込み思案などは一つの個性ですが、これらは個人にとって短所となるものですので、個性として伸ばしたくはないものです。
つまり、伸ばすべき個性とは、個人の長所となるもので、他人に愛されそして愛するものでなければなりません。

こうしたよい個性は、幼少時に形成されることがわかっており、これからの保育士はこうした良い個性を育てていく必要があります。
長所はほめて伸ばしていくもので、決して強制するものではないのです。